妊娠期の看護（46問）　妊婦の健康生活とアセスメント

第110回改変午前58問

妊娠の初期と末期のどちらの時期にも起こるマイナートラブルはどれか。

1.　下肢静脈瘤
2.　瘙痒感
3.　つわり
4.　頻　尿

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解答・解説

1.　下肢静脈瘤: 妊娠が経過し、子宮が増大することで下大静脈の圧迫が起こり、下肢に静脈瘤が出現することがある。下肢の表面にある表在静脈が浮き出たような状態から始まる。症状が進行すると血管の蛇行や怒張を認め、下肢のだるさ、疼痛を訴える場合がある。長時間の立位を避ける、弾性ストッキングの着用、寝るときの下肢挙上などの指導が必要となる。よって、妊娠末期に起こりやすい。
2.　瘙痒感: 妊娠中は、皮膚の乾燥や刺激によりかゆみが生じることがある。また、腹部が増大し妊娠線（皮膚の断裂線）の出現に伴うかゆみがみられる場合がある。部位の確認、湿疹や発赤の有無等を確認する。妊娠中期以降に起こりやすい。
3.　つわり: 妊娠により、プロゲステロンの作用による食道・胃・腸管の緊張と運動性の低下、エストロゲンとヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）の影響、精神的影響等が原因として考えられる。つわり症状（悪心・嘔吐など）は主に妊娠初期に出現するが、人によっては長期間継続する場合もある。食べたいときに食べられるものを少量ずつ摂取するなど食事の工夫をする。空腹により症状が強くなることもあるため、すぐに食べられるものを用意しておく。また、精神的な支援も行う。
4.　頻　尿: 妊娠の初期と末期によくみられる。妊娠初期は子宮が膀胱を圧迫することで頻尿となる。妊娠末期には胎児が下降してくることで児頭が膀胱を圧迫するために起こりやすい。尿回数、尿量、水分摂取量を確認し、尿意を感じたらがまんしないようにする。