感覚器系（36問）　状況設定問題

第103回追試午後91問

次の文を読み問題1に答えよ。
Aさん（45歳、男性、システムエンジニア）は、最近1か月仕事が忙しく疲労が蓄積していることを自覚していた。本日、起床時にめまいがして右耳の聞こえが悪く感じたため受診した。検査の結果、突発性難聴と診断され、医師から入院治療を勧められた。仕事を休むのは気になったが、職場の上司に相談して入院した。

問題1
入院してすぐに点滴治療が始まった。Aさんは「入院したときよりも、めまいは良くなりました。トイレに行きたいです」と訴えた。病室内のトイレまでの歩行は許可されている。

この時点の看護師の対応で適切なのはどれか。

1.　トイレまで付き添う。
2.　背筋を伸ばして歩くよう説明する。
3.　耳栓をすると効果的であると説明する。
4.　点滴スタンドは中央より上を持つよう指導する。

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解答・解説

1.　トイレまで付き添う。: 室内トイレまでの歩行が許可されているとしても、病状的に歩くことは問題ないという意味である。Aさんは、めまいがよくなったと言っているが、起き上がり歩行することで再度めまいが起こる可能性があり、歩行中に転倒する危険があるため、看護師が付き添うことは適切な対応である。
2.　背筋を伸ばして歩くよう説明する。: 起きているめまいによっては、背筋を伸ばして歩くこと自体が困難となる。安全にトイレまで歩行し、排泄を済ませられるとは考えにくい。
3.　耳栓をすると効果的であると説明する。: 耳栓をすることがめまいに効果があり、安全にトイレまで歩行し、排泄を済ませることにつながるとは考えにくい。
4.　点滴スタンドは中央より上を持つよう指導する。: 具体的に点滴スタンドのどこを持つのか、またAさんの身長がどれくらいなのかなど、不明な点が多く適切な対応とは判断できない。

突発性難聴では、回転性めまい、または浮動性めまいが起こることがある。回転性めまいは、自分自身か周囲のものが回転しているような感覚が生じる。悪心・嘔吐が出現したり、バランスがとれなかったり、歩行困難となったりすることがある。浮動性めまいでは、身体が宙に浮いているような感覚が生じる。正しい姿勢を保ったり、まっすぐ歩くことが困難になる。