第103回追試 午後3問

解答・解説

1.　子の看護休暇の取得促進

「子の看護休暇の取得促進」という語を使った条文はないが、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」（育児・介護休業法）の第1条には「育児休業および介護休業に関する制度並びに子の看護休暇および介護休暇に関する制度を設けるとともに、子の養育および家族の介護を容易にするため」とあり、第16条の3に子の看護休暇の申出があった場合における事業主の義務等が定められている。男女雇用機会均等法の目的ではない。

2.　女性労働者の最低賃金の設定

女性と限定した最低賃金の設定はなく、労働基準法で性別の指定なく労働者の最低賃金が規定されている。第28条「賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる」という条文である。男女雇用機会均等法の目的ではない。

3.　雇用分野における男女差別の解消

男女雇用機会均等法第1条で「雇用の分野における男女の均等な機会および待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中および出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする」と規定している。男女差別の解消が含まれる。

4.　就業制限業務の規定による女性労働者の保護

妊産婦に関しては、労働基準法で「坑内業務の就業制限」、「危険有害業務の就業制限」の規定があるが、女性労働者全体の保護については、労働基準法に基づいた女性労働基準規則で定められている。内容は作業環境測定（労働安全衛生法第65条）の結果が「第3管理区分」（特定の化学物質を扱う作業場）などである場合に、妊娠の有無や年齢等にかかわらず女性労働者を業務に就かせることを禁止するものである。

「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」は男女雇用機会均等法とも呼ばれる。