NICUで出会った、幼い子を亡くすお母さんの覚悟|ナースのみんなに聞いてほしい話(1)

読者のみなさんのエピソードを、さまざまな作家さんがマンガにする連載がスタート!

初回はNICUで出会った親子の物語。

田中さん親子は数日前に私の勤めるNICUにやってました。田中さんは、赤ちゃんに「遺書にお家に帰ろうね、お兄ちゃんがナナちゃんに会えるのを楽しみにしているのよ」と優しく声をかけます。ナナちゃんは生まれつき、18トリソミーという染色体異常症があります。里帰り出産した田中さんは、在宅療養を希望して、自宅に近いこの病院に転院してきたのでした。

「ナナちゃんのお兄ちゃん、妹が生まれるのを楽しみにしていたんですって」ナースステーションで看護師同士が話します。新型コロナウイルスの流行のせいで、一度も面会できていない兄妹。「在宅療養を希望しているご家族の気持ちに応えなきゃね」と話し合います。

しかし、願いは虚しく、ナナちゃんは家に帰ることなく旅立ってしまいました。田中さんの希望で、死亡確認はご家族の到着後に行われました。

初めてナナちゃんと面会したお兄ちゃんに、田中さんは優しく声をかけます。「ナナちゃんは亡くなってしまったの。亡くなったっていうのは体なくなってしまうことで、ナナちゃんは一緒に暮らせなくなってしまったの」

幼いお兄ちゃんに、やさしく語りかける田中さん。「でもね体はなくなっても、魂はいつも一緒にいてくれるから、一緒に遊べないけど心は一緒だよ」田中さんの言葉をお兄ちゃんが受け止めた時、ナナちゃんの最期の時が告げられました。

田中さんはどんな気持ちで息子さんに向き合ったのだろうか。我が子をなくして張り裂けそうな心で、それでも妹を亡くす息子の未来を賢明に考えたのでしょう。その後も主人公は、田中さんの気丈な姿を思い出し、自分の看護に思いを馳せるのでした。

このお話は、「ちょ」さんの投稿をもとに作成しています。

※この作品はフィクションです。実際のエピソードもとに、個人が特定されないよう一部を脚色しています。

 

 

【著者プロフィール】

明(みん)@rikukamehameha

看護師・漫画家。沖縄県出身。

著作に小学館クリエイティブ『LICHT-リヒト』1~3巻、集英社『漫画家しながらツアーナースしています。』シリーズ、『いのちの教室 あなたの最期が私に教えてくれたこと』他。

 

 

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