【マンガ】こころのナース夜野さん(5)

(前回までのお話は▶こちら

患者さんの深い孤独に触れた精神科ナースの夜野さん。

「看護師にできること」について思いを巡らせます。

 

統合失調症の患者、林さんとの会話をナースステーションで報告すると、先輩ナースの橘さんは、「別人みたいね。激しい何かが出てくる人って、その時期を超えると全然違う様子にあんるのよね。」と言いました。「落ち着くかはなからないけど、こうなるだろうと想像しすぎないようにしてる。過去に担当して回復した患者さんを当てはめてしまいそうになるから。」と言いました。

 

 

「まず、その患者さんの世界を受け入れるところがスタートだと思う。」と橘さんは説明しました。すると同僚のナースは、「でもいつもそこまで入り込んだら危ないよ。こっちがやられたら仕事ができなるなる。」と反発しました。その様子を見て、師長は微笑みながら「そうね。いろいろな考え方のスタッフがいたほうが患者さんの選択肢も広がる。夜野さんも覚えておいてね。」と言い、「林さんが落ち着いたのなら、一回病院に来てもらいましょう。」と指示をしました。

 

 

後日、林さんは病院に来ると、面談で「今、52歳で職もないし、これからのことを考えると怖くて眠れなくなる。嫁とは離婚して遠くに住んでいるので相談できる人はいない。」と言いました。私は、『この先の人生どうなるんだろう…。そういう将来への不安が虫が見えるという症状で現れていたのか…。』と気づかされました。

 

 

その後、林さんは治療を卒業し、福祉サービスを受けることになりました。「また何かあったらいつでも電話してくださいね。」と最後に声をかけると、林さんは、「虫は当分出ないと思います。」と言って立ち去りました。私は、林さんの背中を見ながら、『その人の話を聞くこと…。それが看護師として最初にできることなのかもしれない。』と感じたのでした。

第6話は、1/10(金)公開予定です。

 

『こころのナース夜野さん』が単行本になります(小学館)

2020年1月10日(金)発売!

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【著者プロフィール】

水谷緑(みずたに・みどり)HP

水谷緑

著書は「コミュ障は治らなくても大丈夫」(吉田尚記、水谷緑)「まどか26歳、研修医やってます!」「あたふた研修医やってます。」(KADOKAWA) 他。小学館「いぬまみれ」にて犬漫画「ワンジェーシー」連載。

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