年末のひととき｜マンガ・ぴんとこなーす【273】

2019/12/28

年末くらいは平和にのんびり過ごしたいものです。

タイトル：年末のひととき

今日の主人公はヤマツジさん。ヤマツジさんは、その日みんなで近場の温泉に行ってきました。ヤマツジさん以外は全員夜勤明けです。

ことの始まりは久しぶりに一緒の夜勤になったアイちゃん、ワカさん、ナスさんが忘年会代わりのお疲れ会をやろうということになったらしく、ヤマツジさんにも声をかけてくれたのでした。「みんな定時で追われるように頑張りまーす。」と元気な返信のあとに、まさか緊急入院4人、入院直後の急変1人、その他不穏だらけだった勤務が起こるとは…。それをほんとに時間内に終わらせるとはねぇ…とヤマツジさんは感心しました。

平日の人も少ない温泉で、4人はゆっくり過ごしてお昼も食べました。そうなれば、帰り「いやもー、そんなタイミングでオーダー出すぅ？って感じで！」とワカさんがヒートアップしても不思議ではありません。

ワカさんの典型的な夜勤症候群。感情の制御ができなくなって、思ったことをそのまま喋ってテンションが上がり続ける…なんでもないことで笑い続けたり、突然思い出し怒りをしたりする症状。その姿はまさに『エモーショナルエクスプロージョン（爆発する感情）』とヤマツジさんは名付けました。そしてそっと『前後の記憶も怪しいから秘密にしていることを聞き出すなら今。』と付け足しました。

ワカさんの隣に座っていたアイちゃんは、眠さが限界で「あの先生はいつも…」「ですよねー…ふふ。たっくんもそんな感じで。」と夢うつらで会話が曖昧で「えへへ、らいじょぶれすー。」とろれつもおかしくなっています。その姿を『ビューティフル・ドリーマーズ（美しき夢見人）』と名付けました。

『アイちゃんのタイプは、心は夢の中だから話したことを全く覚えてない。』と付け加えます。「ポテチ開けていいですか？」というナスさんに「いいわよー。」と答えながら、その姿に『インフィニティブラックホール（無限の胃袋）』と名付けました。昼にカツ丼とラーメン食べて、車乗ってからもお菓子食べて、ずーっと食べ続けるタイプ。このタイプは欲に従ってるだけだから、ほっといても自分が後悔するだけ。と分析しました。

分析を終えたヤマツジさんは、アイちゃんへ毛布を貸してあげました。そしてワカさんには「音楽かけていいかしら？」と断りをいれて、クラシック音楽をかけました。ワカさんは「ピアノだ―！ヤマツジさんぽい。めちゃおしゃれー！」とテンション高く言いました。

すると黙々とお菓子を食べていたナスさんが「おぉ！ジムノペディ！エリック・サティのだ表曲！これは～…。」とエモーショナルエクスプロージョンに誘発されて、テンション高く解説し始めました。毛布をかけたアイちゃんとワカさんはもう夢の中にいるようです。その後も、音楽についてアツく語っているナスさんを見て、『この子早く寝ないかしら』とヤマツジさんは思いました。

すると思いが通じたのか、ナスさんはいきなり静かになったと思うと、がくぅと倒れるように眠ってしまいました。『ブラック・アウト（ただの気絶）』の姿を見届けながら、『それだけ頑張ってきたのよね。今日は誘ってくれてありがとう。少しでもゆっくり休んでちょうだい。』と3人の姿を見ながら願うのでした。また明日から始まる仕事のことを今は忘れ、満たされて爆睡する3人+ヤマツジさんなのでした。