イスラム圏からの患者さま|マンガ・患者さまは外国人【1】

「皆さんはじめまして。ナースの山本ルミです」ルミさんは六本木にあるインターナショナル・クリニックという診療所で働いています

六本木といえば人々が行き交う繁華街ですが、このクリニックはひっそりとした洋館です。

院長先生は、「ドクター」ことアクショーノフ先生

ドクターの診療室にはこれまで来院した子どもたちの写真でいっぱいです

このクリニックは外国人専門病院なので、日本の健康保険は使えません

ブラジル人の患者さんが指を切ってしまい来院したとき、傷口を見せてもらうと指が真っ黒。ブラジルでは止血のために傷口にコーヒーの粉をかけるんです。外国人の患者さんの習慣や常識の違いにびっくりしたり、吹き出したり。ちょっと変わったクリニックの診療日記をご覧ください。

大人気マンガ『患者さまは外国人』の出張Web連載が始まりました。

毎週日曜日の更新をお楽しみに!

 

マンガ・患者さまは外国人【1】

イスラム圏からの患者さま

イスラム圏からの患者さま。メッカに巡礼に行く前に髄膜炎の予防接種に来ます。待合室にいる患者さんの名前が長い!

しどろもどろに名前を読んでも無反応なので、ファーストネームだけ読んでみると…みんなが反応してしまいます。

翌日。診察室へと声をかけに待合室を覗くと、並んで土下座!?と思ったら、メッカへのお祈りでした。

イスラム教徒は毎日5回メッカの方向へ向かってお祈りをします。診察もいったん中止です。また別の日、奥さんを何人も連れた男性が来院。

予防接種にいらっしゃったので、一番左の奥様から呼ぼうとすると、止められました。第一夫人・第二夫人・第三夫人と決まっているので、診察もその順番で行わないといけないんです。

他にも気をつけることがあります。先生でも奥さんに触ってはいけないのでナースが注射をしたり、同じ症状のときは同じ薬を処方しなかければいけなかったり。できるかぎり患者さんに寄り添って最善の治療を行うのがインターナショナルクリニックなんです。

数日後、高熱で脱水症状をおこした患者さんがきました。点滴を使使用とすると、「断食してるんです…日没まであと2分なのでそれなまでは…」…と点滴を拒否。

2分だけ待って、無事に点滴をすることができました。

数十分後、患者さんの体調は回復。帰っていこうとしたとき、財布を落としたので「モハメドさん」と呼びかけると、付き添いの方も一緒に振り向いた!名前はるみちゃんの不得意科目のようです。

 

◆このマンガの登場人物

〈ルミ〉ふだんはドクターの右腕としてクリニックを支えるナースの山本ルミ

しかしひとたび司令が下れば、世界のどこへでも患者さんを迎えに出かけていく「エスコート・ナース」に変身!

 

〈ドクター〉「インターナショナル・クリニック」の院長、エフゲニー・アクショーノフ先生。1924年に旧満州で生まれ、今は無国籍。

長身でハンサム、そして天然ボケが魅力。好きなおやつは石焼き芋。

 

◆著者

原案・山本ルミ

マンガ・世鳥アスカ

 

【主人公・山本ルミさんの記事はこちら

・インタビュー

・エッセイ

 

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『患者さまは外国人』(CCCメディアハウス)

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