【速報】看護師新卒の平均給与は大卒270,806円、夜勤手当はダウン－日本看護協会調査結果

2015/04/13

日本看護協会による「看護職員需給状況調査」結果（速報）が発表されました。

新卒看護師の給与は、大卒、3年課程いずれも去年より500～600円アップ。

夜勤手当はここ数年の増加傾向がストップし、昨年より数百円ダウンしています。

【トピックス】

・新卒看護師の予定初任給と中堅看護師の平均給与

・夜勤手当は数百円ダウン、中小病院が高い

・離職率は病床数で大きな差。新卒離職率はダウン

・定年後も病棟で働く看護師が7割以上

新卒看護師の予定初任給と中堅看護師の平均給与

まずは2015年入職予定の新卒看護師の予定初任給です。

●新卒看護師の予定初任給（高卒＋3年課程）

2015年度新卒看護師の予定初任給（高卒＋3年課程）

(出典)日本看護協会「2014年病院における看護職員需給状況調査」

※以下グラフ全て

高卒で3年課程の看護学校を卒業した新卒看護師の予定初任給は、基本給が平均で197,334円。税込の給与総額（通勤、住宅、家族、夜勤当直手当を含む。夜勤は3交代で8回、2交代は4回で計算）は262,565円でした。税込総額は、前年よりも491円アップしています。

●新卒看護師の予定初任給（大卒）

2015年度新卒看護師の予定初任給（大卒）

大卒の新卒看護師は、基本給の予定額は平均して204,593円、税込み総額では270,806円でした。税込総額は、前年より606円アップしています。

●勤続10年で31～32歳の看護師（非管理職）

次に、勤続10年で31～32歳の看護師（非管理職）の場合です。基本給は平均243,406円、税込み総額は318,117円です。前年と比べて107円アップと、ほぼ横ばいの状態です。

新卒、中堅看護師の給与は、ここ5年ほどほとんど変わっていません。診療報酬は、2008年度の改定から4回連続でプラス改定となっていて、医療機関に支払われる報酬は増えていますが、それが職員の手当にまで回っていないことがうかがえます。

夜勤手当は数百円ダウン、中小病院が高い

●平均夜勤手当額

平均夜勤手当額

夜勤手当は、3交代の準夜勤手当は平均4,190円（前回調査では4,399円）、深夜勤手当は5,259円（同5490円）です。2交代では平均夜勤手当は10,859円（11,276円）でした。病床規模別でみると、3交代、2交代のいずれも中小規模の病院の方が、夜勤手当が高い傾向にありました。

夜勤手当は、ここ数年は増加傾向にあったものが、今回調査ではいずれも前回（2011年）より数100円程度ダウンしていることがわかります。日看協では、今回の手当減少が病院の経営状態によるものか、あるいは看護師の処遇方針が変わりつつあるのか、注意していく必要があるとしています。

離職率は病床数で大きな差。新卒離職率はダウン

●病院看護職員の離職率の推移(過去5年間)

次に、離職率についてみていきます。常勤の離職率は11%で、ここ5年ほどほとんど変わっていません。一方で新卒の離職率は7.5%と、常勤と比べて低くなっています。ここ数年でみても新卒の離職率は下がる傾向にあり、2009年（8.6%）と比べると1%以上低くなっています。

また病床規模別では、常勤、新卒のいずれにおいても規模が大きい病院ほど、離職率は低くなっていました。特に、新卒では病床規模による差が大きく、全体での離職率は7.5%ですが、99床以下の病院では約13%と、5%以上も離職率が高くなっています。規模と離職率の関係について日看協では「処遇や教育体制が影響している」と分析しています。

定年後も病棟で働く看護師が7割以上

看護師の定年制については、8割の病院で定年後も勤務を延長したり、再雇用していました。再雇用された看護師が働く職場（複数回答）は「病棟スタッフ」が72%と大半を占め、60歳以降も現役のスタッフとともに医療現場で活躍する看護師が多いことがわかります。次に多かったのは「外来スタッフ」46%、「看護管理者」25%でした。

病院としてどのような地域連携をしているかについては、「地域の訪問看護や在宅医療・介護との連携」を挙げる病院が増え、全体の4割が地域の在宅医療と連携していると回答していました。

(参考)

日本看護協会「2014年病院における看護職員需給状況調査」

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