在宅酸素療法(HOT)・在宅人工呼吸療法
『本当に大切なことが1冊でわかる呼吸器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は在宅酸素療法(HOT)・在宅人工呼吸療法について解説します。
平澤真実
さいたま赤十字病院ICU看護主任
慢性呼吸器疾患看護認定看護師
どんな治療?
在宅酸素療法(HOT;home oxygen therapy)は、1日24時間酸素療法が必要な患者さんに、在宅人工呼吸療法は、24時間人工呼吸器を装着する必要がある患者さんに、在宅療養において使用されます(表1)。
表1 在宅酸素療法(HOT)・在宅人工呼吸療法の目的と適応疾患
これらを導入することで、酸素療法や人工呼吸療法を必要とする患者さんでも病態が安定していれば、在宅療養や社会復帰が可能となります。
在宅酸素療法の社会保険の適用基準(表2)と長期NPPVの適応基準(表3)は以下のとおりです。
memo:AHI
apnea hypopnea index。無呼吸低呼吸指数。1時間当たりの無呼吸数および低呼吸数をいう。
HOT・在宅人工呼吸療法の効果
HOTの効果として、生存期間の延長や肺循環動態の改善、運動耐容能の改善、QOLの改善などがあります。
在宅人工呼吸療法の効果としては、臨床症状の改善、QOLの改善、生存期間の延長などがあります。
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看護師は何に注意する?
情報収集
HOTや在宅人工呼吸療法を導入するにあたり、患者さんの病態だけではなく、日常生活の詳細な情報が必要となります(表4)。その情報をもとに導入への説明や指導を行っていきます。
患者指導
入院中に業者や機種の選択(表5)、機器操作や管理方法、リハビリテーションや栄養、服薬管理などを含めた患者指導(表6)を行い、在宅療養へつなげていきます(表7)。
memo:アクションプランシート
急性増悪時にどのような行動をとるか示したもの。患者さん自身が急性増悪を予防するために、症状の変化を早期に認識し、それに応じた行動をとることができるよう、あらかじめ作成しておく。
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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら。
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器』 編集/さいたま赤十字病院看護部/2021年3月刊行/ 照林社