パルスオキシメーターを用いた検査
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『本当に大切なことが1冊でわかる呼吸器』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回はパルスオキシメーターを用いた検査について解説します。
平澤真実
さいたま赤十字病院ICU看護主任
慢性呼吸器疾患看護認定看護師
どんな検査?
パルスオキシメトリーとは、患者さんの指先などに専用のプローブを装着し、パルスオキシメーターを用いて経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2;percutaneous oxygen saturation)を測定する検査です(図1)。
動脈血酸素飽和度とは、動脈血中のヘモグロビンの何パーセントが酸素と結びついているかを意味しています。それが経皮的に得られた値(SpO2)なのか、動脈血を採取して得られた値(SaO2;arterial oxygen saturation)なのか区別されます。
検査のしくみ
酸素化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの赤色光と赤外光の吸光比率からSpO2を算出し、経皮的かつ連続的に測定することができます(図2)。
memo:酸素化ヘモグロビン
酸素と結合しているヘモグロビン。
memo:還元ヘモグロビン
酸素と結合してないヘモグロビン。
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看護師は何に注意する?
測定値の見かた
動脈血ガスの変化の時間は、肺胞から装着部位までの血液循環時間に依存するため、耳、手指、足の順に長くなります。そのため、低酸素血症を素早くとらえたいときには足での測定は不適当になりますので注意してください。
表1の要因があると正しく測定できないため、これらの要因を取り除くようにしましょう。
SpO2の正常値は約95~100%です。SpO2が90%になると酸素分圧は60Torrであり、そこからS字カーブを描くように急激に酸素分圧は低下します(図3)。よってSpO2が90%以下になると呼吸不全となり、生命の危険を及ぼします。その場合は早急な酸素投与や換気補助が必要となります。
図3 酸素解離曲線
プローブ装着部位の観察
プローブの装着部位には、低温熱傷や強い圧迫、長時間の圧迫による潰瘍形成の恐れがあります。こまめに観察し、装着部位は定期的に変更するようにしましょう。
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本連載は株式会社照林社の提供により掲載しています。
書籍「本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器」のより詳しい特徴、おすすめポイントはこちら。
[出典] 『本当に大切なことが1冊でわかる 呼吸器』 編集/さいたま赤十字病院看護部/2021年3月刊行/ 照林社