薬剤を3回以上確認するのはなぜ?|注射

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は薬剤の確認に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

薬剤を3回以上確認するのはなぜ?

注射法は、薬剤が速やかに血中に移行するため、患者にとって影響の大きい与薬法です。投薬ミスを予防するために、薬剤は容器や色で確認せず、必ず薬品名を読んで確認します。

 

ラベルの確認は、①薬品を棚から出すとき、②アンプルカットをする前、③注射器に吸い上げるとき、④アンプルを廃棄するときに行います。

 

このほかにも確認すべき点はたくさんあります。

 

薬品そのものの確認

使用期限が切れていないか、結晶や混濁(こんだく)、湿潤(しつじゅん)、カビ、沈殿物(ちんでんぶつ)、異常などはないか確認します。

 

投与方法の確認

静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、皮内注射など、処方箋(しょほうせん)を確認します。

 

量の確認

mgとg、mLとmgなど、間違いやすい単位は慎重に確かめます。同じ薬剤名でも、1mL中の単位が100単位(U)、40単位(U)など、濃度が異なる場合もありますので、重量で指示されている場合は何mLであるか換算する必要があります。

 

日時・回数の確認

とくに気をつけたいのは、隔日(かくじつ)、週2回、時間与薬などの場合です。

 

氏名の確認

名前、年齢、部屋番号を確認し、本人にフルネームで名乗ってもらいます。意識障害がある患者、認知症の症状のある患者の場合は、とくに注意を要します。

 

毒薬や劇薬のラベル確認

薬機法によって、毒薬と劇薬はそれぞれ普通薬と区別して保管することが定められています。毒薬は黒地に白枠、白字で薬品名と「毒」の字を標示し、施錠してほかのものと区別して保管します。劇薬は白地に赤枠、赤字で薬品名と「劇」の字を標示し、ほかのものと区別して保管します。必ずラベルを確認し、使い終わったら元の場所に戻します。

 

毒薬と劇薬の表示・保管方法のルール

 

memo投薬時の6R

注射事故を防ぐためには、6つの正確性(six right)の確認を徹底させる必要があります。

 

  1. 正しい患者(right patient):氏名、生年月日、同姓同名の患者に注意
  2. 正しい薬剤(right drug):薬剤名、薬剤の形状、使用期限など
  3. 正しい用量(right dose):指示どおりの薬剤の用量、単位、濃度
  4. 正しい方法(right route):指示された投与経路
  5. 正しい目的(right purpose):何のために投薬するのか
  6. 正しい時間(right time):日付、与薬時間、注射速度など

を確認します。

 

mgとmL

注射を準備する際、医師からmgで指示された場合、mgは含まれる薬剤の重量の単位ですから、容量の単位であるmLに換算しなければなりません。たとえば、2mLに0.4mgの薬剤が含まれているアンプルの場合、医師から0.3mgの投与を指示されたときには、次のような計算を行います。

 

1アンプルが0.4mgなので、0.3mgは3/4アンプルに相当。1アンプルは2mLなので、2mL×3/4=1.5mL。つまり、1.5mLを取り出せばよいということになります。

 

ただし、薬品名が同じでも薬剤の含有量(がんゆうりょう)が異なる場合もありますので、思い込みで作業をすることは危険です。必ず含有量を確かめることが重要です。

 

薬剤の重量(mg)から容量(mL)への計算方法の例

 

※編集部注※

当記事は、2020年7月30日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2024年7月刊行/ サイオ出版

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